2013年5月18日土曜日

JavaScriptにおける検出用変数

JavaScriptで『レガシーコード改善ガイド』の第22章「モンスターメソッドを変更する必要がありますが、テストを書くことができません」で紹介されている「検出用変数の導入」を行ってみる。

『レガシーコード改善ガイド』のサンプルコードはJavaだからインスタンス変数として導入しているけれど、ここでは関数プロパティとして導入する。JavaScriptでは、関数もオブジェクトだからプロパティを持つことができる。

関数プロパティとして導入した方が、使用する場所に近くなるから読みやすくなるし、何かの拍子に誤ってアクセスする可能性が小さくなる。モンスターメソッドはただでさえ長い上に、そいつを持っているオブジェクトもゴッド・オブジェクトだったりするから、どれだけ慎重になってもなり過ぎるということはないはず。

というわけで、godObject.monsterMethodに検出変数isProcessedを導入してみる。これで複雑な条件をかいくぐって目的のブロックが実行されているかどうかを検出できるようになる(この実行が委譲されているなら、モックを使って検出できるけれど、モンスターメソッドが書かれるような状況では期待薄だと思う)。
var godObject = {
    monsterMethod : function (num) {
        // 検出用変数
        this.monsterMethod.isProcessed = false;
    
        if (true) {
            // ... 
            if (false)  {
                // ...
            } else if (true) {
                if (num === 2) {
                    this.monsterMethod.isProcessed = true;
                    // このブロックが実行されているかどうかを検出したい
                }
            } else {
                // ...
            }
        }
    }
}

検出用変数には、godObject.monsterMethod.isProcessedでアクセスできる。実際には、テストコード中でassertTrue(godObject.monsterMethod.isProcessed)のような形でアクセスすることになるだろうけれど、ここでは簡単に確認するためにconsole.logを使う。
godObject.monsterMethod(1);
console.log(godObject.monsterMethod.isProcessed); // > false
godObject.monsterMethod(2);
console.log(godObject.monsterMethod.isProcessed); // > true
godObject.monsterMethod(3);
console.log(godObject.monsterMethod.isProcessed); // > false

この方法は、『JavaScriptパターン』の4.3「関数プロパティによるメモ化パターン」を参考にしている。関数にその関数のキャッシュ変数を持たせられるなら、検出用変数を持たせられるだろう、と。

References


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